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アトピー性皮膚炎でお悩みの方へ 新薬登場

 アトピー性皮膚炎とは

かゆみのある湿疹が、慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。一度発症すると何年も症状が続くことが多く、日常生活に支障を来す場合も少なくありません。

アトピー性皮膚炎では、皮膚の”バリア機能”(外界のさまざまな刺激、乾燥などから体の内部を保護する機能)が低下しており、それが原因で環境中の様々なものに対してアレルギーになりやすい状態になっています。

 

 

 

 

 

 

 

アトピー性皮膚炎の検査

アトピー性皮膚炎の状態を把握する手がかりとして血液検査を行います。

◆ 重症度⇒TARCまたはSCCA2 : 皮膚の炎症の程度を調べます。

◆ 悪化要因⇒特異的IgE抗体検査 : ダニやカビ、犬猫のフケなどどのような悪化要因が関わっているかを調べます。

 

アトピー性皮膚炎の治療

アトピー性皮膚炎の治療は以下の3つが治療の基本となり、どれも欠かすことができません。正しい治療を行うことで症状をコントロールすることができます。

1 スキンケア 皮膚の清潔を保ち、うるおいのある状態を保ちます
2 薬物療法
光線療法
薬物療法:各々に合った注射薬・内服薬・外用薬を処方します。
光線治療:紫外線治療を行います。
3 悪化要因の対策 環境中の悪化因子をみつけ、可能な限りその因子を取り除いていきます。


画期的な新薬が登場

注射薬

デュピクセントという注射薬はアトピー性皮膚炎の症状に対して非常に高い効果を示しています。また、この注射薬は二週間に一回皮下に注射する必要がありますが、自分で注射することができます。従って、注射のたびに毎回来院する必要がなく、薬局で何回分かまとめて受け取ることができます。

内服薬

リンヴォックという内服薬は特にかゆみに非常に高い効果を示します。リンヴォックの特徴として12歳以上で内服が可能ですので、中高生でアトピーの症状で悩まれている子供たちも内服可能です。

症状がひどく、かゆみで夜が眠れない患者さんもいらっしゃいます。こうした場合、寝不足や精神的なストレスから鬱になるケースもあります。特に若い患者さんの場合、こうしたお薬によっていったん症状をリセットすることによって、精神的にも正常化する可能性が高いです。

<外用薬>
ステロイド外用薬(治療の基本となるお薬です)
プロトピック軟膏【タクロリムス水和物軟膏】(2歳以上)
コレクチム軟膏【ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬】 (2歳以上)
モイゼルト軟膏【ホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害薬】(2歳以上)

<内服薬>
リンヴォック【経口ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬】(12歳以上)

<注射薬>
デュピクセント【ヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体】 皮下注射
ミチーガ 【ヒト化抗ヒトIL-31受容体Aモノクローナル抗体】 皮下注射

詳しくは、井野病院皮膚科にてご相談ください。