紫外線治療とは
紫外線には免疫反応を抑える作用があり、様々な皮膚病に効果があります。
この紫外線を使った治療は、医療用のランプを用いて特定の紫外線を患部に照射し、治りにくいとされている皮膚の病気を治療します。副作用が無く、非常に安全な治療法です。
紫外線治療で効果のある症状
主に以下のような症状に効果を発揮します。
アトピー性皮膚炎
皮膚に赤み、小さなぶつぶつ、じくじく、かさかさ、ぽろぽろ、かたくなるなどの症状が出ます。かゆみを伴い、良くなったり悪くなったりを繰り返します。皮膚の乾燥とバリア機能の低下、ほこり、食物やダニなどのアレルゲン、精神的・肉体的ストレス等が原因となります。

尋常性乾癬
盛り上がった赤い発疹ができ、そこに銀白色のフケのような垢ができ、ポロポロとはがれ落ちます。全身どこにでもできますが、頭皮・膝、肘などに特に出やすく、約半数の人にかゆみが出ます。
尋常性白斑
後天性の脱色素斑で、斑の形は様々です。全身に現れ、対称性が見られる汎発型、1~数個の白斑が局所的に現れる限局型、皮膚の神経に沿って現れる分節型の3種類があります。
掌蹠膿疱症
手のひらや足の裏に水ぶくれやうみができ、良くなったり悪くなったりを周期的に繰り返すのが特徴です。出始めにはかゆみを伴うことが多いです。約1割の人は関節や骨の炎症を併発し、痛むことがあります。
円形脱毛症
突然ある部分の毛が抜け始め、円形の脱毛班が生じます。単発型、多発型、前頭脱毛症、汎発性脱毛症があります。痛みなどの苦痛を伴う症状はありません。
治療の流れ
診察
症状や肌の状態を診察し、紫外線治療が効く皮膚病かどうか診断します。
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テスト照射
症状や肌の状態に合わせてテスト照射を行います。症状によってはテスト照射を行わない場合もあります。
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照射
範囲に応じて紫外線を1~5分程度照射します。痛みはほとんどなく、少しあたたかいと感じる程度です。
※当院では短時間で治療効果の高いエキシマライト照射装置のセラビームを導入しています。紅斑や色素沈着を起こす有害な低波長領域をカットし、効果的かつ安全性に配慮した照射が可能です。
治療期間
紫外線治療は継続することで効果を発揮します。症状によりますが、最低でも週1回、2ヶ月は治療を継続するようにしましょう。週2~3回治療を受けると最も効果は高くなりますので継続的な通院をお願いします。
紫外線治療ができない方
・妊婦
・免疫抑制剤を使用中の方
・皮膚がん、その既往のある方
・光線過敏症の方
・膠原病の方
・光線で炎症を起こしやすくなる薬を投与されている方(特に湿布薬)
紫外線治療の費用
保険診療です。3割負担の場合、診察料とは別に1回1,000円程度です。
詳しくは、井野病院皮膚科にてご相談ください。